沖縄社会教育研究フオーラム
2025
TOAFAEC新版
蔓草庵
(名護市底仁屋
)の看板 2025.3.30
鷲尾眞由美さん撮影
関連
A,
(戦後)沖縄社会教育研究会1
(1976~1985年)
→■
沖縄社会教育研究会2
(1986~1995年)
→■
アジア・フォーラム
(留学生ゼミ・1989~1995年)
→■
B,
1995年~1999年
(TOAFAEC)
スケジュール記録
→■
2000年~2003年・スケジュール記録
→■
2003年~
全スケジュール(月別)、南の風・ぶんじん日誌・全記録
→■
C、
沖縄社会教育研究フオーラム(1)
2005
~
→■
沖縄社会教育研究フォーラム(2)2016-やんばる対談など~
→■
(前ページ)
沖縄社会教育研究フォーラム(3)2019~2024
→■
やんばる対談・解題・別冊「対談集」
→■
戦後沖縄青年団運動の証言(2018)
→■
2023「東アジア生涯学習研究フオーラム in 名護」 関連写真・別ページ
→■
2025年
★今年の「やんばる対談」予告
『TOAFAEC通信』第105号(2025.1.29)
----小林文人(TOAFAEC)顧問 January 29, 2025 4:56 PM
島袋正敏さま
小林ぶんじんです。先日は電話で久しぶりにお声を聞いて、懐かしいかぎり。
お元気な様子で何よりです。
●あのとき、お話ししたこと。今年の「やんばる対談」の持ち方について、確認のメ
ールです。今年は、これまで取り上げてこなかった「名護の図書館・文庫運動」に
ついて、取り上げてみる案。ゆんたく風に気軽に想い出話を願いする。たとえば
1,琉米文化会館の想い出をもっている方は、どなたかいませんか。そして崎山図書館
のことも。
2,教育隣組の関連で、字の小さな「文庫」活動の想い出、どなたからか、事例をお聞
きしたい。
3、市、教育委員会の対応、自動車、文庫サービスのこと。初代館長としての苦労話
(正敏さん)。
4,あわせて、市民の側の運動、取り組み、市民活動の資料など、あれば見せていただ
きたい。
5,徳田球一、宮城与徳・・・関係資料の取り組みについても思いで話を。
6,その後の、今の図書館活動、運営と課題、予算など状況は。
7,もしできれば、やんばる・他自治体のうごき、字の図書室の動きなどがあります
か?
●日時:3月30日(日)午後(二時~五時)予定。「蔓草庵」に参上してよろ しいで
しょうか。
●参加者:いつものメンバー4,5人と、図書館・文庫問題をテーマにしている若い研
究者を
一人連れていきます。(いま(依頼中)
●古酒を1~2本、瓶に注ぐ儀式をお願いしたいので。2本ほど買っておいていただけ
ませんか。
進さんはじめ各位皆さまによろしくお伝えください。一平さん、今後ともよろしく
お願いします。
★第15回「やんばる対談」ご案内
『TOAFAEC通信』第106号(2025.2.89)
……小林ぶんじん(TOAFAEC顧問)February 8, 2025 7:52 AM
今年の「やんばる対談」(2025、第15回)について、通信・前便に島袋正敏さんと
小林の私信を、そのまま紹介しました。「名護・やんばる」の「図書館づくりと文庫運
動」についての、興味深い歴史(図書館づくり市民運動)、その歩みなど紹介いただ
き、現状と課題を語り合うテーマです。米軍基地周辺の「子どもを守る」運動として
生まれた「教育隣組」との関連で、字・集落の「文庫」活動など、また図書館始動後
の自動車文庫の話もお聞きしたいと。
予定日は,東京から名護入りするメンバーの都合を優先していただき、3月30日
(日)午後1時半頃から。会場は、これまで通り「蔓草庵」(名護東海岸・底仁屋)
です。関心ある方々のご参加歓迎。
また、その前日(3月29日)午後4時頃から、中頭(なかがみ)青年団OB会の
皆さんと、中頭の歴史(青年運動、復帰運動、反基地闘争など)を記録にしていく企
画(積年の課題)を語り合うことになりました。会場はコザ十字路近く、同青年会
OB会事務所=中根事務所)。当日(29日)はコザ泊まりになる予定。(3/30当日の
泊まりは、名護・山田荘。)
フライト便は混み合う時期、お早めに予約する必要あり。
委細・問い合わせは、山口真理子さんまで→izk07252@nifty.com。
★第15回「やんばる対談」ご報告
『TOAFAEC通信』第110号(2025.4.6)
……山口真理子(事務局) 2025.4.5
3月30日(日)13:40~17:00頃 テーマは図書館、いつもの「黙々100年塾・
蔓草庵(名護市底仁屋)」を会場に、やんばる対談第15回を行ないました。雨模様で
沖縄にしては寒く、屋内でのゆんたくとなりました。机の上を片付けるのが大変だっ
たそうです。その後“復元”できたでしょうか。
この日の参加者(五十音順、敬称略)
やんばる:呉屋美奈子(恩納村文化情報センター奉仕係長、沖縄国際大学非常勤講
師)、島袋正敏(蔓草庵主宰、元名護市教育委員会)、松崎美佐子(辺野古公民館
図書室の司書、元名護市立図書館児童サービス担当)、宮里健一郎(しまくとぅば
読本―県文化振興課―久志言葉の地域アドバイサー、元崎山図書館館長等)声かけ
は他図書館にもしたそうですが日曜日なので忙しく、参加は難しかったようです。
やんばる以外の沖縄:赤嶺一子(南風原町、社会福祉士)、鷲尾眞由美(那覇市、沖縄
環境ネットワーク)
本土:石川敬史(十文字学園女子大学)、内田純一(高知大学)、小林文人(TOAFAEC
顧問)、包聯群(大分大学)、 農中至(鹿児島大学)、山城千秋(熊本大学)、
山口真理子(TOAFAEC事務局、元調布市立図書館)
やんばる対談も15年が経ちました。2010年に稲嶺進さん(元々は社会教育主事)
が市長になり、進さんの応援の気持ちから始まったのでした。間にコロナ禍でできな
かった年や年2回の時もあって、ちょうど15回目となりました。最初の会場は青年
の家、2回目は壁や屋根は未完成でブルーシートで覆われていた蔓草庵。3月中旬とい
うのに寒い日で震えあがり、焚火に当たりながらでした。以後は旧博物館の2回以外
は蔓草庵が会場でした。正敏さんが自力で造り上げてこられたのも見てきました。鳥
や虫、山羊の声も聞こえてきました。この日はシロガシラという鳥がずっとさえずっ
ていました。
これまで、地域活動・社会教育のいろいろな分野をテーマにしてきました。博物館
を中心に、在来資源・生きもの復活運動(アグー、リュウキュウアユ等)、民話、地域
史づくり、社会教育主事集団等々。東京にない名護独自の取り組みの歴史を記録にし
てきました。最後に残っていると言っていいのか、それが図書館の話でした。
この日は、名護の図書館の歴史から始まって、1999年に開館した今の中央図書館
の話。名護市出身の徳田球一や宮城与徳の資料を保存することも力を入れて語られま
した。徳田球一は路線問題もあって中国に亡命した元日本共産党書記長で日本共産党
さえ拒否するラディカルな思想の持ち主、宮城与徳はゾルゲ事件に関わった画家で昔
の言葉で言う“国賊”です。徳田球一のデスマスクやお連れ合いとの獄中時代の往復書
簡も所蔵しています。このことについては行政内部からの批判もあったそうですが、
郷土出身者ということでちゃんと位置付けているのです。この一連の経過からの正敏
さんの言葉「やっぱり図書館、博物館というのは行政のトップと歩調を合わせるので
はなくて、そこで何をすべきなのかということを踏まえて仕事をすべきだというふう
に思いますね。」は、長年、多岐に亘って活動されてこられた正敏さんの気概が強く
感じられるものでした。
そして「15年かけても語り尽くせぬ、あるいは資料的に不十分ではあるとしても、
大体大きなことは語ってきた。15年経ったこの日は一つの区切りではないか。この日
は正敏さんが特によく語られた。寒くもあるし、本当に後まで残る、思い出に残る会
となった。」と、感慨を込めての文人先生のまとめとなりました。
恩納村文化情報センターの活動も、「文化と知識と観光の架け橋」を目指したユニー
クなものでしたし、辺野古公民館図書室の生き生きとした様子もご紹介したいのです
が、ここでは略させていただきます。この記録は、秋に刊行予定の年報第30号に掲載
いたしますので、是非そちらでご覧になってください。
なお、文人先生は「アメリカ占領下・沖縄の図書館」を『図書館雑誌』1992年8月
号(日本図書館協会)に書いておられて、先生のホームページで見ることもできま
す。→http://bunjin-k.net/okinawa92library.htm
正敏さんを囲んで
宮里さんや松崎さんが見える
バックにある「図書室のようす」は松崎さん作、立って説明しているのは呉屋さん
「蓬莱」にて 稲嶺進・島福善弘・照屋秀裕さんと、居合わせたものづくり塾の塾生さんも
★中頭青年団O B会と再び復帰運動を語る 報告
『TOAFAEC通信』第110号(2025.4.6)
……山城千秋(熊本大学) April 4, 2025 9:57 AM
日にち:2025年3月29日(土)
ところ:中根事務所(沖縄市)
出席者(敬称略)沖縄:東 武、田場盛順、山内順盛、宮城盛光、玉代勢修司
本土:小林文人、内田純一、包 聯群、石川敬史、農中 至、山城千秋、山口真理子
かつて小林先生と「戦後沖縄青年運動史の証言」という記録を2005年から2013年
にかけてつくり、TOAFAEC誌に連載しました。当時聞き取りをした仲宗根悟さん、
中根章さん、有銘政夫さんなどの諸先輩方の多くが鬼籍に入り、占領期の青年団運動
について語れる方々も限られてきました。そのようななか、今回12年ぶりに小林先
生の呼びかけにより、中頭青年団OB会の方々との再会が果たされました。出席者は
東さん、田場さん(いずれも元沖青協会長)をはじめ、山内さん(元読谷村青連)、宮
城さん(元中青協会長)、そして一緒に沖青協で活動した玉代勢さん(元沖青協副会
長)らとともに、会食しながら復帰前後の青年会と復帰運動について、自由に発言し
ていただきました。なお、今回は再会を喜び、「ゆんたく」形式で実施したため(しか
も美味しい古酒付き)、記録も曖昧なところが多いことをご容赦ください。以下に、そ
の一部を紹介します。
東さんは、地元の旧勝連町平敷屋青年会出身で、勝連町の会長も務めました。当時
の勝連の青年会はスポーツ大会と地域行事に参加することが主な活動でしたが、隣の
旧具志川村の青連が総会で社会活動や社会問題について議論していることに衝撃を受
けたと話されました。また、沖青協時代の話では、会長の豊川英信さんが突然会議を
開かなくなり沖青協が一時解散状態にあったこと、その再建を田場さんと一緒に奔走
され、青年大会の予選を北谷町青連の協力の下実施できたことなど、初耳の話に多く
触れることができました。
田場さんからは、復帰後の国立渡嘉敷青年の家での朝の集いのエピソードを聞きま
した。朝の集いでは日の丸を掲揚するのですが、復帰後の沖縄では日の丸に対する複
雑な感情があり、田場さんたち青年たちは掲揚に反対し、集いの参加を拒否されたそ
うです。青年団で復帰運動を闘った仲宗根悟さんや中根章さんらは、復帰後、日の丸
へのジレンマを抱えていたのではないでしょうか。また、田場さんは琉球大学教職員
組合の執行委員長と全公労の副会長を務めていたとき、組合に対する弾圧があったこ
となども話されました。
最後に小林先生から、中頭青年運動のテーマを10くらい取り上げ、10回語り合お
うと提案がありました。テーマとしては、先述の日の丸問題、いまだ現存する基地問
題、4・28、金武湾を守る会など、1960年代以降の沖縄問題と中頭青年団の運動を中心
に、記録する会を再開することが確認されました。
来る4月28日、中頭青年団O B会では、恒例の「沖縄戦・敗戦から80年 4・28
『屈辱の日』辺戸岬集会」を国頭村辺戸岬にある祖国復帰闘争碑の前にて開催し、集
会アピールを宣言する予定です。多くの方々に関心を寄せてもらい、可能であれば集
会にご参加いただけますと幸いです。(文責:山城)
中頭青年団OBの皆さま 山城さんの左より東・玉代勢・田場・宮城・山内さん
★6月定例(第326回)研究会 報告
『
TOAFAEC通信』第119号(2025.7.6)より
……山口真理子(TOAFAEC事務局)
テーマ:じんぶんヒストリー10「沖縄からの提起は続く」
お 話:小林文人先生(TOFAEC顧問)
日 時:6月27日(金) 18:30~20:50
会 場:杉並区高井戸地域区民センター第4集会室(対面)とオンライン
参加者:(敬称略、五十音順)李正連、江頭晃子、小林文人、瀬川理恵、横山文夫、
山口真理子 オンライン)内田純一、祁暁航、齋藤真哉、包聯群、森田はるみ、
鷲尾眞由美 以上12人 小田切督剛(交流会参加)
内 容:先生のこれまでの沖縄研究を、ご案内で概観しているように、4つの時代
区分により語っていただきました。
経過A 1976~1988 学芸大学社会教育研究室ー沖縄社会教育研究会
・先生のホームページ左側には1977年の写真があります。懐かしいお顔が見ら
れます。→http://www.bunjin-k.net/
・ここでは、研究全般に通じる先生の方針「研究の集団化」「資料の社会的共有」
「公刊・出版の重要性」等が述べられました。この方針に沿って、発行された
沖縄関係の刊行物も各時代で紹介されました。
・『民衆と社会教育』1988年 エイデル研究所
経過B 1995~2002 沖縄各地の社会教育実践・運動への関心
・地域交流と離島調査の試み(八重山、与那国を含む)
・社会教育研究全国集会(第42回 2002年8月)名護で開催
・『おきなわの社会教育ー自治・文化・地域おこし』2002年 エイデル研究所
経過C 2002~2008 科研費(総合研究)
・「沖縄社会教育の地域史研究」(和光大学 2000~2003)を得て、先島調査(与
那国島、竹富島)に取り組む
・この報告は和光大学から出され、TOAFAEC年報にも掲載されました。
経過D 2010~2025 「やんばる対談」(コロナ禍を除く毎年)
・名護市を中心に、やんばると言われる沖縄北部地域での様々なテーマを、島袋
正敏さんと相談しながら“ゆんたく”と言われる自由な語らいの中から記録して
いきました。そのテーマは、民話、祭り芸能、環境等々、社会教育という分野
にとらわれるものではありませんでした。
“ゆんたく”による記録を、研究の手法として確立したと言えるのでしょうか。
・沖縄研究では、実に多くの魅力的な方々に出会われましたが、名護での正敏さん
との出会いは遅い方だったそうです。
・『やんばるの地域活動と社会教育』(2018年)
・名護から離れても、集落の共同、自治公民館、「地域の青年」等の課題をどう位置
付けるか
これら約50年の間には、2003年に「日本公民館学会」をスタートさせ、初代学会
長になるということもありました。沖縄で「字公民館」の存在に注目することにな
り、松本市の「町内公民館」あるいは「自治公民館」の活動にも携わっておられてい
たことからでしょうか。
沖縄では、地域の祭りと結びついた芸能の力が大きいことも話されました。比嘉久
さんによれば1年間は11か月、残りの1ヶ月は祭りだそうです。すくみ(仕込み)
から始まり、正日(ソーニチ、祭り当日)と続き、終了後も年齢に合わせた役割があ
る。祭りは高齢者が元気になって、伝統が引き継がれていく。「社会」というのは元々
地域の中にあるものだ、と、祭りの一連の実行を通して、そのことを語られました。
先述の『おきなわの社会教育ー自治・文化・地域おこし』ですが、この副題の「自
治・文化・地域おこし」は、正敏さんが主張されてつけられたものだそうです。
やんばる対談のテーマになった様々な活動は、濃淡はあるにしても沖縄全体で行わ
れている活動であり、それに先生は実際に接してこられました。東京に代表される大
都市では忘れられたものが沖縄には残っている、大都市に問いかけているものは大き
いと。「東京・沖縄・東アジア社会教育研究会」というTOAFAECの正式名称に立ち
返ったようなこの日のお話しでした。
追記:経過CとDの間の時期(2005~2013)には沖縄青年団運動を担ってきた人達への
インタビュー活動がありました。当日は時間の関係で説明が省略されたものです。
文人先生のレジメも修正いたしましたので、定例研究会の記録をご覧ください。(7月23日)